現代社会③:「現代」ではない社会形態とは? 相対的なイデオロギー

相対的なイデオロギー


前回の記事では現代社会は「自由、平等、博愛」の思想の基、



政治:民主主義


経済:資本主義、自由主義


国民:個人主義


上記のようなイデオロギーとなっていることをご説明しました。



この記事では逆に「現代」ではない社会形態ということについて書いていきます。


現代ではないということですが、それは単純に


現代のイデオロギーの逆を考えるとわかりやすいです。

①政治:民主主義   →   封建主義、専制主義

②経済:資本主義、自由主義 →   社会主義、共産主義

③国民:個人主義  →   集団主義、全体主義


と言うような感じです。


それでは一つ一つ解説していきます。

広島城


民主主義と封建主義/専制主義


民主主義の意味は皆さんご存知ですよね?

民主(主権を持った人民)が自らの手で、自らのため政治を行う立場。人民が自らの自由と平等を保障する行き方。”


「清き一票」ってやつですね。


国民一人一人が平等に「一票」という権利を持ち、その票を多く獲得した人が国の代表としてその意見を反映して政治を動かしていくという制度です。



ではその逆に、封建主義専制主義とは何か?


これは国の主権を国民ではなく一部の特権階級が握っている政治をいいます。


王様とか貴族とか独裁者とか、

日本で言えば江戸時代までの将軍が実権を握っていた幕府にあたります。


念のため伝えておきますが、現代の民主主義が必ずしもいいとは限りません。


日本のように投票率が50%程度の国では、

組織票を多く獲得している政党が票を獲得し、

主権を持った国民全員ではなく投票した組織を優遇する

制度を作るなど意図的に不平等を作ることもできます。



逆に王制であるタイでは、国民から愛される王様の貢献により

植民地支配から逃れ平和の国を保っているケースもあります。


日本の江戸時代も幕府という形でしたが、

300年戦争は起こらず太平の世と呼ばれていますよね。

京都


②資本主義/自由主義と社会主義/共産主義



次に資本主義ですが、資本主義とはいわゆる



「世の中は金だよ!金!」ってやつです。笑



「世の中金じゃない!」との意見もありますが、

システム的に資本主義である以上逃れられない事実でもあります。。。


一応伝えておきますが僕は下記に引用してあるMOROHAのリリックのように思います。

世の中金だって嘆いて泣こう 人生はそうじゃないと笑おう

YES MUSIC, YES LIFE / MOROHA


話を戻します。



資本主義とは、資本(=お金)を持つ資本家が社長/経営者となり

労働者を雇い利益を得るシステムです。


江戸時代のように生まれた身分、即ち侍は侍、商人は商人、農民は農民というような決められた職種でなく、誰もが生まれもった身分を超えてお金儲けをしていいというような感じです。


といっても貴族は始めからお金があるため学歴も得やすく資本家になりやすいため完全なる平等とは言えませんが、少なくとも職業選択の自由があり、誰でも頑張ればいい大学に入ったり起業することはできます。


その後の自由主義ですが、現在は新自由主義という形で資本主義システムの中で浸透しています。


意味を抜粋すると

” 国家による福祉・公共サービスの縮小(小さな政府、民営化)と、大幅な規制緩和、市場原理主義の重視を特徴とする経済思想。資本移動を自由化するグローバル資本主義は新自由主義を一国のみならず世界まで広げたものと言ってよい。”


とのことです。

ニューヨークの街角


日本のわかりやすいもので言えば小泉政権時「郵政民営化」でしょうか。



これは何をしたかというと、国(=日本郵政公社)が運営していた郵便、簡易生命保険、郵便貯金などを経営含め民間会社に移行したのです。


よく国や役所などの公的機関は仕事が遅いって言いますよね?


それはミスがないように管理する書類が無駄に多かったり、利益を目的としていなかったり、市場での競争原理がないためと言われます。


なので新自由主義とは、この公的機関の仕事も民営化し、自由競争の下効率化サービス向上を計ろうとする思想です。


最近は水道事業まで民営化しましたね。実はこの新自由主義、聞こえはいいですが落とし穴もたくさんあります。。。(それはまたそのうち書きます。)



また大幅な規制緩和とありますが、わかりやすいのは「関税」です。


「関税」とは国を跨いで輸入・輸出を行うときに発生する税金です。


最近でいうならTPP(環太平洋経済連携協定)が有名です


この関税はなんのためにあるかというと「自国の生産者を守るため」と「市場のバランス調整」です。


仮に人件費や土地の安い中国や発展途上国で生産されたトマトのコストを輸入費含め1個40円とします。


ここで関税がなしだった場合、輸入業者はそれを1個60円で売ります。


土地や人件費の高い日本の農家が作るトマト一個のコストを仮に倍の80円とします。市場価格は一個100円です。


もしここで品質に大きな差がなかった場合、あなたは60円と100円、どちらを選びますか?



経済的な余裕があまりない人はほとんど60円のトマトを選ぶと思います。



すると日本のトマト農家は売り上げが上がらず経営難に陥ります。


自国の農家がいなくなってしまうと自国の職業自給率が下がります。



そうすると戦争や今回のコロナのように輸入制限が入ってしまうと、国内で食料の値段が跳ね上がったり、最悪の場合奪い合いに発展します。


こうならないために関税をかけ、安い輸入品に対しても関税というコストを乗せることで市場価格を安定させ、生産者を守ると言うのが関税の目的です。(単純に国の得る税金を増やすと言う意味もありますが。)


そして新自由主義とはこの関税も自由競争の原理を働かせるためできる限り減らそうという思想です。



TPPはこの国家間の関税をできる限り下げようとする条約です。



まあイデオロギーという言葉はいくら聞こえが良くても、いきすぎると悪い面があることも覚えといてください。



秘密結社として有名なフリーメーソンが掲げる理念も「自由」「平等」「博愛」ですので。笑


話を戻しまして、ではこの「(新)自由主義」の逆は何か?



ものすごく簡単に言えば鎖国です。笑



日本の江戸時代は鎖国をしていたため食料自給率はなんと100%でした。


完全に自国を守ってますよね。笑


このように市場経済を国が計画し管理することやお金儲けしている人だけが得をせず、個人や企業でなく国や地方が生産・流通・販売などの管理を行い、みんなが平等に生活できることを目指す思想が社会主義です。


資本主義は自由にお金儲けができる反面、貧富の差がどんどん広がっていく傾向があります。


さらに資本家グローバル企業が利益に走ったり儲けたりすると、時にその財産は国の財産を超えます。


その場合、貧富の差の問題と国のコントロールが効かなくなるというデメリットがあります。

ニューヨーク Times Square


この資本主義を批判し、社会主義を提唱したのがドイツの経済学者マルクスです。


この社会主義をシンプルな定義で表すと、

”生産手段の大多数が私的に所有されず、社会的に所有され運営されている社会”


です。



なので社会主義の国では、国が国民の給料や財産を管理して平等に分配するシステムを採用します。


でもそうした場合、



平等って人の立場や環境によって意味が変わってきますよね?


上司にすら自分のがんばりをみてもらえないのに国が把握できるの?


どんなにがんばっても給料が他の人と同じじゃがんばる意味がない


と多くの人は思うと思います。



その考えの通り、社会主義は国がうまく管理できれば非常に理想的ななのですが、


実際は国が管理をすることは非常に難しく


結果論として歴史上労働者の勤労意欲は減退し生産性が低下して経済は停滞という道を歩みました。


ちなみに共産主義も似たような思想なのですが、


共産主義を提唱したマルクスは共産主義を


「人類史の発展の最終段階としての社会体制」


と説明し、そこでは階級は消滅し、各々が能力に応じて働き、生産力も高度に発達し、必要に応じて分配できるとしました。


この自由にお金儲けをすることこそが国を発展させるという思想の資本主義


富を国民に平等に分配するために人類の発展の最終段階を目指す共産主義


第二次世界大戦後、世界を鉄のカーテンで二つの主義に分け、


核開発を競い合う冷戦を引き起こします。



結果はみなさん教科書で習った通り、ソ連(ソビエト連邦)は崩壊しました。


個人的には資本主義も行き過ぎれば現在のように不平等極まりないですし、

経済や富を国できれいに平等に管理するのは規模的に無理だと思います。


だからこそ右と左が話し合ってバランスを取る必要があります。


ちょっと話のスケールがでかくなりすぎてしまいましたが、資本主義共産主義の話はここら辺で終わりにしときます。

資本主義の発展の先に待つものとは? 資本主義の終焉は近そうです。


③個人主義 →   集団主義、全体主義



最後に個人主義ですが、これはシンプルに「人権」、即ちあなた含めた一人一人に保証された平等な権利です。


この人権があなたを尊重してくれるおかげであなたは宗教労働も自由に選択できます。


「現在」になる前は宗教を公共の場で批判すると異端者扱い、最悪の場合処刑され、人種や身分によって強制的に働かされるといった奴隷が存在しました。


また日本では今でもよくありますが、個人の意見より集団の意見が尊重されたり、空気を読んで自分の意見を全体に同調させるような行為が集団主義です。



それのいきすぎた思想を全体主義と言います。


定義を引用すると、

”個人の利益よりも全体の利益が優先され,全体に尽すことによってのみ個人の利益が増進するという前提に基づいた政治体制で,一つのグループが絶対的な政治権力を全体,あるいは人民の名において独占するものをいう。”


明らかに個人主義や人権といったものとは真逆ですね。



日本で言えば第二次世界大戦中の日本政府、世界史で言えばナチスドイツのヒトラーや中国の毛沢東などが挙げられます。



こんな時代には戻って欲しくないですね、、、現在若干の危惧がありますが。。。



最後はさらっと終わりましたがやっぱりイデオロギーの説明はエネルギーがいりますね、、、



それでは、次の記事「現代社会④日本が現代化し始めたのはいつ?」で最後のトピックに入ります。

できる限り自由でいたい…

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